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2023.12.12
社外取締役の報酬と機関設計;社外取締役格差が起きている?
前回の記事では、自動車会社の社外取締役の報酬について紹介しま...続きを読む
近年、ガソリン車販売の禁止や緩和など、自動車をめぐる世界情勢がめまぐるしく変わり続けています。3年連続で世界一の販売台数を誇るトヨタ自動車をはじめ、日本の産業を支える自動車会社は大きな影響を受けています。
このような状況の中、社外取締役は規制やルールに関する情報に対していち早くキャッチアップを行い、企業に対して経営上の適切な対応を仰ぐように求められています。
そこで今回は日本産業に大きな影響を与える国内の大手自動車会社7社(トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、スバル、三菱)の社外取締役の報酬について調べ、会社ごとに大きな違いはあるのかについてまとめてみました。
※データはいずれも昨年の会計年度(2022年度)の有価証券報告書に基づきます。
上記のデータをまとめたうえで、社内の取締役の報酬、売上高、純利益も比較してみましょう。
※社内取締役の報酬には月額報酬以外にも株式などの業績連動報酬も含まれます。
基本的には社内取締役の方が人数が多く、かつ報酬も高い傾向にあるようです。日産や三菱の社外取締役の数が多く、社外取締役の報酬が社内に比べて相対的に高めであるのは過去の不祥事に起因したガバナンス構造改革の影響でしょうか。
社外取締役に何を期待するかの機関設計の違いによって社外取締役の人数、ひいては報酬まで差が出たのではないでしょうか。
こちらの結果を踏まえ、次回は日米独の自動車会社の社外取締役の報酬の違いについて、その国の定める企業の機関設計(ガバナンス構造)に違いに着目しながらまとめていきます。